2014年3月22日土曜日

経済成長期においては、貿易収支が赤字になる 

日本の経済が貿易黒字によって成り立っていると考える経済論者は、昨今の貿易赤字を問題視しています。しかし、貿易統計を見ると、高度経済成長期においては貿易赤字失われた20年こそ貿易黒字だったことが分かります。もし貿易収支が日本の経済に影響すると考えるなら、貿易赤字こそが日本の経済成長にとって「善」ということになります。
実際のところは、国内経済が拡大することで、国内消費の拡大とともに輸入も拡大し、結果として貿易収支も赤字になると考える方が自然です。貿易黒字はその逆です。つまり、貿易収支とは国内経済の結果を反映したものであると言えます。

(おしまい)




2014年3月16日日曜日

国内問題こそ海外メディアに聞け 〜報道の問題〜

多くの人は、国内メディアで国内問題を、海外メディアで海外問題を、それぞれ知ることができると考えています。ところが現実は逆で、長期的な真の国内問題に関しては、海外メディアを通じて知ることが多いのです。それは、なぜでしょうか?海外メディアを当てにして良いのでしょうか?

私達は、事故など突発的な物珍しい問題について気づくものの、日常化した問題については慣れてしまい比較対象が無いことから関心を示すことができません。例えば、私たちは、私たちの人権が政府によっていかに侵害されているか、など考えたいとも思いません。

ソフトバンク孫社長は、下記リンクのビデオの中で、「北京に住んでいる中国人は、公害に慣れてしまい、空がいかに青いかを知らない。同様に、アメリカ人はアメリカの移動体通信がいかにひどいか知らない。」と言っています。この言葉は、国内問題に関して国民が認知できないことを見事に言い表していると思います。つまり、私たちは、国内における長期的な真の問題を、他国との比較においてのみ知ることができ、国内にだけ目を向けていては気づくことすらできないのです。

報道は、利益をあげるため、私たちが求めない案件を扱えません。その様ななか、私たちが慣れきったことに関心を示めさないことから、常態化した真の国内問題ではなく、事故など突発的な物珍しい問題しか取り扱うことができないのです。

長期的な真の国内問題に関して知りたければ、日本にいてこそ中国の人権問題や公害問題を認識できるのと同様、海外メディアを通じてこそ知ることができると言えます。その証拠に、原発事故の問題の深さを真っ先に報道したのは外国メディアでした。私達は国内問題に関し、海外メディアからの批判を内政干渉とせず謙虚に受け止めるべきです。
(おしまい)


(参照)

Sprint Chief: U.S. Internet Speeds Are “Horrible” 

— Even Sprint’s. I Can Fix That. (Video)

http://recode.net/2014/03/12/sprint-chief-says-u-s-internet-speeds-are-awful-even-sprints-but-he-can-fix-that/