2014年10月18日土曜日

分かりやすい表現・文書のコツ 〜日本語と英語の表現の違い〜

 私達は、曖昧な主語のおかしな文をついつい書いてしまいがちです。しかし、ちょっと考えるだけで修正することができます。

 私達は、例えば「エボラ出血熱の感染を防ぐことができる」と言います。この場合、主語はありませんが、主体は筆者など「人」であり暗黙の主語と一致していることから、読み手が主語を容易に想像でき、文は分かりやすいと言えます。

 ところが「エボラ出血熱の感染」をテーマとしたい場合、日本語の文法の曖昧さが顕著になります。例えば、「エボラ出血熱の感染は防ぐことができる」と言うこともできます。この場合、普通の人に意図は通じるものの、「感染が何かを防ぐ」のか「何かが感染を防ぐ」のか、文意を厳密に定義していません。その原因は、文の主語は「感染」であるものの、主体が明示されていないためです。英語で主語を人と分けて表現する場合、「エボラ出血熱の感染は防がれることもできる」と受身に変形させることで、テーマとして主語を「感染」としつつ、主体が人などであることを明示し、日本語のような曖昧さを排除します。このように考えると、日本語でも「エボラ出血熱の感染については(医師会など主体が)防ぐことができる」と表現することで曖昧さを廃除できることが分かります。

 私達は、日本語の文法がとても曖昧であることから主語の不明瞭な文を書いてしまいがちです。その原因は、テーマを意識するあまり、主体」を忘れてしまうことにあります。主体」を強く意識することで、主語も明らかになり明瞭な表現が可能になります。私は、改めて英語を勉強したことにより、分かりやすい日本語表現を意識するよう変わりました。(おしまい)