2017年10月15日日曜日

社会保障と経済成長の関係

私は、先進国において、GDPが主として人口に比例することを何度も説明してきました。(参考)

日本は、人口の減少により大きな経済成長を見込めないなか、一人当たりのGDPを改善したいところです。一方で、社会の高齢化による社会保険料の負担も大きな課題となっています。一人当たりのGDPを向上することで、経済をわずかでも成長なり維持しなけなければならない状況です。

そこで、GDP成長率と社会保障の負担率がどう相関するのか国別データで見てみました。今回は、OECDから国別データを取得しました。GDP成長率については、一人当たりの実質GDP成長率(年率)を2010年〜2013年(4年間)について平均しました。社会保障の負担については、GDPに占める社会保障負担率(Social expenditure)を2010年と2013年(2年分)で平均しました。社会保障負担率を2年分のみとした理由は、データ取得元のOECDに毎年のデータが無かったからです。

国別の「一人当たりの実質GDP成長率(年率)」(縦軸)と「社会保障負担率( Social expenditure)」(横軸)の相関は下図の通りとなりました。グラフを見ると、社会保障負担率の高い国ほど、成長率は低いことを見て取れます。

グラフをクリックすると拡大されます。
グラフはあくまで相関図であり因果を示すものではありません。隠れた因子があり、たまたま相関が見えるだけかもしれません。しかし私達には、安全で安心でありたいことから、国に対し社会保障を多く求めます。そのことは必死からの逃避でもあり怠惰でもあるかもしれません。グラフはそのことを裏付けているようにも見えます。社会保障の充実はむしろ国民を堕落させ成長率を鈍らせると言えるのかもしれません。(おしまい)

参考
 OECD 統計 http://www.oecd-ilibrary.org/statistics

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