2019年8月12日月曜日

私達生物はなぜ死ぬの? 〜生物の死を運命づけられている理由〜

 なぜ、私達に「寿命」というものがあるのでしょうか?なぜ、私達は自ら死ぬ運命なのでしょうか?もし、私達が永遠に生き続けたら、どうなるのでしょうか? 

 地球環境は、寒冷化したり、温暖化したり、疫病が流行したり、大型動物が生まれたりし、常に変化しています。地球環境がその様に変化する中で、私達生物は自身も積極的に変化し環境に適応しなければ生き続けることができません。ところが私達の細胞は、遺伝子に設計図があり、機能が遺伝子によって生まれた時に決定されます。生きている限り、たとえ若返ったとしても生まれた時の遺伝子に縛られ、永遠に同じ機能を保持してしまい変化できません。寿命の無い種は、仮にいたとしても、変化する地球環境に適応できず絶滅したと考えられます。

 つまり、地球環境が変化する中においては、「遺伝子を変化させ続ける種だけ」に生き続けるチャンスを与えられているのです。そのため、個体としては寿命を持ちつつも、つがいを通じて遺伝子を毎度変化させることで、「二度と同じ遺伝子を持たない」種だけが結果として集団として生き延びることができたのでしょう。

 科学的な視点から見れば、私達の生きる意味は遺伝子と呼ぶバトンを次の世代に渡すことです。ところが私達は、もし私達個体が永遠に生き続けたら、生きる場所、食料、エネルギーを奪い合いあってしまい、次の世代を育てることができません。遺伝子と呼ぶバトンは消滅してしまいます。つまり逆説的ですが、私達の祖先が死に絶えたからこそ私達は生きることができるのです。

 私達個体は、我が子を新しい遺伝子をもった大人として自立するまで育てたら、死に絶えこの世から消える去ることを運命として義務づけられているのです。死とは、新しい命を生み種を保存するための最も素晴らしい発明なのです。

 "Death is very likely the single best invention of life. It's life's change agent. It clears out the old to make way for the new." Apple co-founder Steve Jobs

(おしまい) ※下にコメントをお寄せください。

(ご参考)
  The science of why we die | Michael Shermer
https://www.youtube.com/watch?v=7Y3ktHF3WxY 

アコースティック哲学:命と寿命 武田邦彦
https://www.youtube.com/watch?v=gH-sTBpfsAo&list=RDgH-sTBpfsAo&index=1