将来に不安を抱え、社会保障に大きな期待を寄せている方は多いと思います。しかし、その前に、保険や年金の基本的な原理を理解しておく必要があります。
私は、「保険」や「年金」と「宝くじ」は、支出に見合った収入が必要という、基本的な原理において同じと考えています。
例えば、「宝くじ」で3億円の当たりくじ1枚を作るためには、当たり前のことですが、300円のくじを100万枚売りさばく必要があります。
式で表せば下記のとおりです。
(支出)3億円×1枚 = (収入)300円×100万枚
つまり、大事なポイントは、99万9999枚の「ハズレくじ」を買った人がいるからこそ、成り立っているということです。
「死亡保険」も同じ原理で成り立っています。例えば、1000人から1万円を集めたとして、999人は生き残るからこそ、1人の遺族は死亡保険金として1000万円を受取ることができるのです。
「健康保険」も同じです。10万円を100人から集めたとして、90人は病気もなく健康ままで請求しないからこそ、10人までなら100万円の治療費を請求できるのです。
「年金」も、基本的な原理は、まったく同じです。100人がそれぞれ50歳まで100万円積み立てた場合、その後60歳までに20人が死亡すれば、生き残った30人で2,000万円を山分けし積み立て以上の額を受給できるのです。
逆に、60歳までに誰も死亡しないなら、年金支給年齢を引き上げ、誰かが死ぬのを待たなければなりません。退職世代の平均年齢が上がれば、支給年齢も上げるか、支給額を下げる必要があるのです。(※現行の国営による老齢年金は、自己積立方式ではなく現役負担方式です。つまり「年金」ではなく「老後手当」です。)
逆に、60歳までに誰も死亡しないなら、年金支給年齢を引き上げ、誰かが死ぬのを待たなければなりません。退職世代の平均年齢が上がれば、支給年齢も上げるか、支給額を下げる必要があるのです。(※現行の国営による老齢年金は、自己積立方式ではなく現役負担方式です。つまり「年金」ではなく「老後手当」です。)
つまり、「恩恵を受けられない人」が大勢いるからこそ、福祉は成り立つのです。国民全員が福祉を受ける事は不可能です。この基本的な「博打」の原理を理解しないまま福祉拡大を求めたら、社会保障問題を解決することはできません。
(おしまい)
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