昨今、TPP交渉参加の是非を巡り、広く国民の間で議論されています。私達は、これまでの政策を正しく認識した上で、今、何をすべきか考えることが必要です。
多くの日本人は、日本の経済発展を、技術進歩による国際競争力向上と工業製品の輸出拡大によるものと考えています。しかし、日本政府がつい最近まで輸入制限(保護貿易)の政策を取り続けていたことをそれほど認識していません。
アメリカは、1900年代までは、輸入品に対し30〜40%もの関税率を果たし、輸入を大きく制限していました。ところが、1900年から関税率を徐々に引き下げ、第二次世界大戦以降に平均10%未満、2010年には平均1.3%まで軽減し、自由貿易主義へと変遷しました。
一方日本は、今や日本が世界に誇るエレクトロニクス、自動車、カメラでさえ、輸入関税率を戦前は100%、戦後も40〜30%かけ続け保護してきました。それらの関税率を完全に撤廃したのは1970年後半からです。1980年代の日米構造協議などにより自由化の道をさらに歩み続けていますが、未だに農業はもとより金融、医療をはじめ多くの分野で参入を規制し自由化していません。日本の産業振興は、技術の進歩とともにありましたが、輸入制限・外資参入制限政策によりグローバル競争から守られてきたことによるものです。
TPP協定は、どのようなものか具体的な内容が明示されていないものの、国内の市場を一層自由化する方向にあます。保護産業の企業に対し、競争の場を国内から世界に追いやり、厳しい経営を迫るものと予想できます。保護産業の関係者は、自動車産業や精密機器産業のように、グローバル化の波に備えた技能の体得が必要です。
(おしまい)
参考
・Wikipedia Tariffs in United States history
http://en.wikipedia.org/wiki/Tariffs_in_United_States_history
・財務省 主要品目の関税率の推移
http://www.mof.go.jp/pri/publication/zaikin_geppo/hyou/g486/486_03.xls
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2013年2月18日月曜日
2013年2月10日日曜日
報道改革の必要性
私は、最近、インターネットを介してアメリカの報道番組(配信動画)を見るようになりました。分かった事は、日本の報道番組が、アメリカと比較し貧弱だと言う事です。
日本の多くの報道番組は、時事を単純に伝達しり感情的な意見を述べる程度で、問題解決に向けてほとんど提言していません。その様な番組が多い中で、NHKの「クローズアップ現代」は、時事問題を、幅広く取り扱い、限られた時間の中で専門家を交えて解説するなど深堀りしています。日本の報道番組を一つだけ視聴するとしたら、私なら迷うことなく、NHKの「クローズアップ現代」を選らびます。しかし、その「クローズアップ現代」も、情報源は偏っているように見えます。また、週4回という時間の制約から、1つの時事問題につき1回しか取り扱いません。さらに、問題解決に向けての提言に関しては、予算増加を求める省庁を暗に代弁しているようでもあり、一方的であり、私達に選択肢を提示していません。
ところが、アメリカのWSJ、TIME、PBSなどのは、情報源が多数あり、様々な異なった見方を持つ取材者や専門家を招き、同じ時事を一度のみならず違った角度で何度も取り上げ、問題を深堀し事の本質に迫ります。動画本数も、WSJ1社でさえ1日に10本以上配信しています。また、問題解決に向けては、予算増加の弊害や代替案を問いつめるなど、賛否両論の展開によりメリット・デメリットを明らかにし、視聴者に選択を提供しようとしています。アメリカの報道は、質・量とも明らかに日本のそれよりも上です。アメリカの報道を見ていると、「報道とは何か」を考えさせられます。
日本の報道番組の多くは、単に事象を伝達したり、感情的な意見をのべることが多く、また、問題解決策も一方的です。日本の民主化をより進めるためにも、私達国民に政策選択肢を提示する方向で、見直されるべきです。
(おしまい)
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