2013年4月13日土曜日

日本は依然として閉鎖的

「グローバル化」が認識されてから随分と年月が立ちました。巷には外国ブランドや横文字が溢れ、外国人やハーフがテレビに出演しているため、日本もグローバル化の波に乗り第二の開国を成し遂げつつあると感じている人も多いと思います。
しかし、私は、日本のことをつくづく「閉鎖的な国」だと感じています。

今日もそれを強く感じる出来事がありました。

渋谷でコーヒーを飲んでいたとき、隣に座っていた韓国人2人に、路線図やiPhoneを見ながら困惑していたため英語で声をかけてあげました。その韓国人が「アシアゲがどこか分からない」と言うので、私が問いただすと彼らの目的地は「スカイツーリー」でした。駅名が分からず困っていたのかと思いきや、彼らのもっていた路線図には、JRのものだったため、メトロや私鉄は省略され「押上駅」が記載されていませんでした。しかも、漢字主体で表記され、駅名に小さなローマ字の記載があるだけでした。また、他の鉄道会社についての注意書きなどいっさいありませんでした。彼らは自分たちが「アシアゲ」を見落としているに違いないと必死に探していたわけでした。
私は、「押上駅」まので行き方を説明し、駅名に関して漢字とローマ字でメモも書いてあげました。

韓国では、日本語、中国語、英語のガイドが町中に溢れています。路線図もとても見やすくできています。また、日本語が、どこに行っても通じます。レストランはもとよりマクドナルドや地元向け量販店ですら通じます。小さな飲食店などは、日本語を話せる人がいない場合でも、少なくても写真付きの日本語メニューが置いてあり、誰でも簡単に注文できます。路上や駅で地図や路線図などを見ていると、必ず誰かが日本語で声をかけ助けようとしてくれます。大学卒業者は皆、英語、中国語、日本語のいずれかを話せます。大学を卒業していなくても、商売する人であれば、外国語を片言で話そうとします。インチョン空港では、飛行機を降りたところの看板の一行目に日本語で「ようこそいらっしゃいませ」と書いてあります。私達外国人を歓迎していることを強烈に感じます。

一方、日本では、外国人向け観光ガイドがどこにあるのか分かりません。外国人向け地図すら町や商店街に置いていません。各鉄道会社の路線図は、駅名や路線名を日本語を主体に表記し、さらに自社の路線しか記載していません。外国人向けの、見やすい、統合したものがありません。小売店では、韓国語や中国語がほとんど通じませんし、英語ですら通じる場所が限られています。道に迷う外人がいても声をかける人はいません。そのため、外国人観光客は、スマホとgoogleマップにより少しは自分で探索できるものの、電池が切れたら孤立してしまいます。成田空港の入国ゲートの看板には、一行目に「お帰りなさい」とだけ日本語で書いてあります。まるで外国人を無視しているようです。

日本を訪れた外国人観光客は、日本のことを、未だに閉鎖的な理解しがたい国と感じているに違いありません。

(おしまい)


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