なぜ、大統領は原稿をそう読んだのでしょうか?
なぜなら、英語には「母音文字に関する発音ルール」があるためです。つまり、「頑張ってくだい」を、ローマ字で書くとGan batte kuda saiですが、英語読みすると「ガン・バットュ・クダ・セイ」となるのです。実は、私達日本人も、「母音文字に関する発音ルール」を知るとで未知の英単語すらネイティブのように発音できるようになります。大統領と同じようにGan batte kuda saiを「ガン・バットュ・クダ・セイ」と発音できるようにもなります。
母音文字 a、i、u、e、o を、ローマ字読みで発音する場合、単純にア、イ、ウ、エ、オとなります。ところが英語で発音する場合、それぞれの母音文字に対し3通りもの方法があります。
【母音文字に関する発音ルール】
ルール1 母音文字の後が子音文字で終わる場合、母音文字を音読みで発音
a、i、u、e、o を イア、イ、ウ、エ、アと発音
ルール2 母音文字の後に母音文字が続く場合、最初の母音文字を英字読みで発音
(ただし、続く母音文字は発音しない)
a、i、u、e、o を エイ、アイ、ユー、イー、オウと発音
ルール3 母音文字の後の子音にeが続く場合、最初の母音を英字読みで発音
(ただし、子音に続くeは発音しない)
a、i、u、e、o を エイ、アイ、ユー、イー、オウと発音(ルール2と同じ)
ルール4 独立した母音文字が二つある場合、強調しない母音文字はエとウの間の
曖昧な音(schwa)で発音(小さい音で)
a、i、u、e、o をいずれも、(エとウの間の曖昧な)ウと発音
たったこれだけのことです。このルールを適用するだけで母音に関する発音の誤りが激減します。具体的な例を以下の表にしました。
【具体例】
a | i | u | e | o | ||
ルール1
音読み
|
例 | gap | till | full | sell | bomb |
発音 | gap | til | ful | sel | bam | |
ギャップ | ティル | フル | セル | バム | ||
ルール2
英字読み
|
例 | gain | tie | fuel | sea | boast |
発音 | gein | tai | fyul | sii | boust | |
ゲイン | タイ | フィュル | シー | ボウst | ||
ルール3
英字読み
|
例 | gate | tile | cure | gene | vote |
発音 | geit | tail | kyur | giin | vout | |
ゲイt | タイル | キュr | ジーン | ヴォウt | ||
ルール4
曖昧読み
|
例 | adopt | deficit | umbrella | select | connect |
発音 | u'dapt | 'defusit | um'brelu | su'lekt | ku'nekt | |
ウ'ダpt | 'デフシt | ウm'ブレル | ス'レkt | ク'ネkt |
上記のルールは、英単語の発音に関し、100%当てはまるものではありませんが、根幹をなすものです。多くのアジア人は、この発音ルールを身に付けることで、英会話において母音文字をローマ字読みから脱却しより正しい音で発せるようになります。また、知らない単語が出てきても、よりネイティブに近い読みができるようになります。
(おしまい)
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