2013年10月26日土曜日

何故Macを選ぶのか 〜Macの魅力・意義とは〜

 最近、iPhoneが良く売れているため、パソコンの買い替えにあたりアップル社のMacを検討している人が増えているようです。そこで、何故Macを選ぶのか、私なりにMacの魅力をまとめました。


1.新しいライフスタイルが楽しい
 現在のパソコンは、かつてのスーパーコンピュータ並みの能力をもっています。しかし、一般的にWindowsパソコンは、応用ソフトを付属していないため、インターネット閲覧と年賀状印刷を目的とした利用しかされず有効活用されていません。アップル社は、Macに「秀でたソフト」を予め入れておくことでパソコンを活用するよう導いています。特に音楽を聴く、演奏する、写真を見る、撮影した動画を編集することに関し、私達に新しい楽しみ方やライフスタイルを提供しています。Windowsパソコンを購入すると「組み立て」や「パーツ」に詳しくなりますが、Macを購入すると「活用」と「楽しみ方」に詳しくなります。

2.パソコン操作から開放され創造することに集中できる
 Macのユーザインターフェースは、パソコンで初めてGUIとマウスを採用されたところから始まり、ソフトとハードの両面で革新し続けています。最新のマルチジェスチャータとタッチパッドにより、他社の追随を許さないほど洗礼されました。さらに、使い勝手が細部までよく練られています。例えば、作成中の文書や絵などは、自動保存されるため失う事がありませんし、変更箇所が自動記録されいつでも以前の状態に戻す事ができます。その使いやすさゆえ、細かいパソコン操作から開放され、意識を目的に集中できます。

3.起動が速く活用機会が拡大する
 起動処理やメモリ管理などが革新され、MacBookAirはスマホと同様瞬時に起動します。また、革新的な方法で「ウイルス」からの脅威も回避し、ウィルスチェック待ちもありません。パッと使えることにより、思いついたことを書き留めることができ想像力に貢献します。私は、MacBookAirに変えてから文書を書くようになりました。また、忙しい朝でさえ思いついたことをツイートできるようにもなりました。Windowsパソコンでは不可能なことです。

4「Unix」を基本とし信頼できる
 「Unix」は、基本ソフトとしてとても優れています。先ず、最も根幹をなす部分が、古く熟れているため、Windowsなど新しいソフトよりはるかに安定しています。また、Windowsのように「レジストリー」「DLL」といった「突然死」を引き起こす原因を内包していません。さらに、内部仕様が公開されているため、世界中の技術者が日々進化させています。そのため、サーバ分野で最も多く採用されています。コンピュター技術者にとって、Unixは最も憧れのソフトの一つです。Macの「OS X」やiPhone、iPadの「iOS」は、そのunixの上に構築されているため、とても安定しています。

5.ポストPCにふさわしい
 ポストPCの時代に入った今、私達は、場所と時間によって複数の端末を使い分けています。例えば、会社ではディスクトップパソコン、食卓ではノートパソコン、通勤や待ち合わせではスマホ、居間ではデッキとテレビ、寝室ではタブレット、週末の写真や音楽は携帯プレーヤ、といった具合です。
 これらの端末は、全てが自動連動しなければなりません。例えば、私達は、食卓のノートパソコンで入力した予定をいつでもスマホで確認します。また、通勤途中にスマホで発見した動画を家の迫力あるテレビで再生します。夜タブレットで途中まで読みんだ本を、翌朝、通気途中にスマホで続きから読み、外で撮影した写真をテレビやタブレットで家族と楽しんだりします。
 ところが、マイクロソフトはスマホで出遅れ、グーグルはパソコンで出遅れています。その点、アップルは、これらの端末全てをとても上手く統合し連動させました。Macとアップル製品を利用することで、その恩恵を最大限受けることができます。
(おしまい)

ps.私は、Macの購入により、Macに英語辞書やリーディング機能が標準で付属していたため、英語を学習するようになりました。英語を学習したら、英字ニュースや英語動画を見るようになり、さらにiTunesUなどでアメリカの大学の講義を受講するようになりました。Macの購入以来、ライフスタイルが劇的に変わりました。




2013年10月19日土曜日

英語リス二ング・ヒアリング上達に必要な5つのコツ 〜膨大な時間を費やしても英語ができない理由〜

多くの日本人は、英語学習に膨大な時間を費やしましたが、残念なことにネイティブの子供の会話すら聞き取れません。その主たる原因を、慣れの問題、慣れていないからリスニングができないと考えています。そのため、海外留学など長期海外滞在しなければ、リスニングをできるようにならないと考えているようです。

ところが、英語のできる韓国人など外国人に尋ねると、留学経験なく自宅で学習したという方が少なくありません。実際私も、海外留学せずともネイティブの早口を聞き取れるようになりました。問題の本質は、「慣れ」ではなさそうです。

私は、日本人のリスニングできない原因に関し、問題の本質が「英語の学習方法」にあると考えています。「慣れ」という学習方法は、言い換えれば「正しい音による再学習」です。海外長期滞在することで慣れますが費用もかかります。むしろ最初から正しい学習をすることで無駄な「再学習」を回避できます。今回は、日本にいながらネイティブのスピーチを理解するための、正しい学習方法、コツをご紹介します。費用はかかりません。

1.学習を始める前に国を選ぶ
英語の発音は、同じ英語圏でもイギリス人、アメリカ人、オーストラリア人で随分と異なります。例えば、母音の後の子音”r”や”t”および母音の”a”、”o”の発音は、日本人が聞いても分かるほど全く異なります。実際、学習したはずの単語も、異なる発音では聞き取りできません。そのため、学習を始める前にどの母国語で学習するか決めておく必要があります。そして、実際の音と辞書などの記載を合わせるため、学習教材も全て同じ国のものでそろえる必要があります。インターネットでニュースを聞くときも注意して同じ国の情報源を選択する必要があります。やってならない事は、アメリカ英語を学びたいにもかかわらず、イギリス人やオーストラリア人に習ったりイギリス英語辞書の発音記号を確認したり、ちぐはぐな選択をすることです。多くの日本人は、意識していないため混乱を生じています。学習する前に国を選ぶことは、実はとても重要な最初の一歩です。

2.アルファベットの正しい基本的な音を覚える
日本語では記述できませんが、”a”を「ア」、”b”を「ブ」、”c”を「ス」などと、正しい発音の基礎を覚える必要があります。もっとも確実で効率的な方法はネイティブや帰国子女に教わることですが、インターネットやパソコン等を活用することでも習得できます。アップルの「Mac」や「iPhone」「iPad」「iPod」であれば、テキスト読み取り機能がついており、簡単にネイティブに近いスピーチを再現できます。そして、聞いた正しい基本音を声に出して繰り返す事です。残念ながら多くの日本人は、”b”と”v”、”r”と”l”を聞き分けるこのことができません。また、日本人の英語の先生も意外とできていません。日本人は誤った基礎のまま突き進んでいるためできないのです。

3.発音記号を覚える
英語のつづり(スペル)は、「意味」を示していますが「音」を表現していません。そのため、実は、つづりを見てもどう発音して良いのか分かりません。正しい発音方法は、辞書に発音記号で示されています。そこで、発音記号を覚えるにあたり、インターネットや電子辞書を活用すれば容易になります。「Mac」や「iPhone」等にも付属しています。多くの日本人は、この事を理解していないため、英単語を小学校で習った「ローマ字」の読み方による誤った音を暗記しています。
(ご参考)アメリカ英語の発音記号と実際の音 http://hatuon.sakura.ne.jp/p_minikouza/itiran.php

4.正しい発音で単語を覚える
新しい単語に遭遇したら、正しい発音で単語を覚えるため、以下の手順で学習することをお勧めします。
 ①まず、アクセントの位置を確認する ※ここがポイント!
 ②発音記号を確認する
 ③声をあげて発音記号を読む
 ④発音を覚える ※意味より音が先!
 ⑤意味やスペルを覚える
 ⑥声をあげて例文を読む

一流大学合格者を含め多くの日本人は、必要性がなかったため正しい発音で英単語を覚えていません。そのため、こびりついた誤った音を取り除き、正しい音に置き換えるために時間と努力を要します。英語をこれから始める方は、最初から正しい発音で学習するべきです。

5.台本や原稿付きの動画・音声を聴く
インターネットには、大量の動画や音声が投稿されています。台本や原稿と合わせて聞くことで確実に向上します。Podcast 等テクノロジーを活用すれば、電車の中でもリスニングを学習できます。

英語リスニング学習にお勧めのサイト
ESL Podcast 例文による英会話学習サイト(アメリカ英語)
BBC Learning English 台本付きニュース(イギリス英語) 
PBS Newshour 台本付きニュース、題材や意見が豊富(アメリカ英語)
This I Believe 個人のショートエッセイ(アメリカ英語)
TED 世界の著名人による演説(世界中の英語、和訳付き)
    http://www.ted.com

繰り返しますが、正しい学習を実践し正しい発音で語彙を増やせば、海外留学せずともネイティブの話を自然と聞き取れるようになります。日本人は、正しい発音で語彙を増やさなかったため、リスニングにおいて音のマッチングができないだけなのです。私は、日本人が費用をかけることなく簡単に問題を解決できると確信しています。
(おしまい)



2013年9月22日日曜日

日本が輸出で経済成長できない理由 〜「貿易黒字が善」という考えの間違い〜


多くの経済論者は、貿易収支に関し「黒字を善」「赤字を悪」と受け止めています。そのため、新聞やテレビは、「貿易赤字により富が流出している」と報道しています。しかし、冷静に考えると、「為替」による富の移転はできないため、その考え方が間違っている事に気づきます。

◯極端な例を仮定し具体的に考えてみます。
ある小国があり、人口はわずか1万人、資源は豊富にあり、輸入は不要な状況とします。その小国のある企業が、デジカメを生産し販売を計画します。この企業が生産ラインのロボット化に成功して100万台生産できました。しかし、国内において、販売台数は1人に1台販売できるとしても1万台までしか見込めません。売上高も1台あたり10万円なら10億円です。そのため輸出により利益を伸ばしたいと考え、生産余剰の99万台をめでたくアメリカで1台あたり1千米ドルで売りさばき、9億9千万米ドルを得たとします。

◯この小国の企業は、はたして儲かったのでしょうか。
輸入ゼロの国の国民は、海外で買い付けをしないため、海外通貨を必要としません。そのためそのような国において、外国為替取引が成立せず、輸出企業は海外通貨を国内通貨に換金できません。つまり、この企業が手にした9億9千万米ドルは、国内において、価値のない紙切れにすぎません。アメリカへの輸出は、この企業の利益に貢献しないのです。働き損だったことが分かります。以上を一般化すると、企業は、輸出超過による利益を、外国為替取引に制限されることから得られないことが分かります。

◯なぜこんなことが起こるのでしょうか?
端的にいうと、各国が通貨の交換に際し通貨価値を「変動制」にしてしまったからです。そのため、輸出により得られる対価の上限額が輸入額に制限されるのです。

つまり、変動制の外国為替取引を採用した国において、輸出額は輸入額に制限されるため、貿易収支を「黒」にできません。「通貨」による富の移転はできないのです。できないこと(貿易黒字)を「善」とする考えは、そもそも間違いといえます。

ps.日本の貿易収支は、8月統計値で1兆円近くの赤字でした。しかし、GDP(500兆円)からみると、わずか0.2%の値であり誤差と言えます。貿易収支云々という議論は、無意味です。
(参考) 貿易統計 
     http://www.kanzei.or.jp/toukei/statotal.htm

(おしまい)

2013年7月14日日曜日

インターネット選挙解禁の今、「街頭演説」に意味があるのか?

 インターネット選挙が解禁となった今、ブログ、ツイッター、Facebook、動画などから、各候補者の考え方を効率良く知ることができます。各政党の政策比較も容易になりました。そんな中、候補者による「街頭演説」は、私達にとってどのような意味があるのでしょうか?足を運んで見るほどの価値があるのでしょうか?
 私は、「街頭演説」である候補者の嫌な面を目の当たりにし、「街頭演説」を見ることの重要性を改めて発見しました。

 言葉は、都合の良いものだけを羅列できるため、必ずしも人の本心を表現していません。一方で行動は、考え方を反映した結果です。人の本心は、「行動」から見て取れます。そのため私達は、人の表情や仕草などを見て、直感的に人の善し悪しを判断しすることができます。

 私の見たある候補者は、演説開始直後、スピーカからもの凄い音が出たため、集まった大勢の聴衆に上手く語ることができませんでした。そこで、聴衆の前で裏方のスタッフに対し「おいしっかりしろ!」と何度も大声で怒鳴り散らしはじめました。しかし、そのもの凄い音は、明らかに、候補者が自分のマイクをスピーカに向けたまま話し始めたことによるハウリングでした。ハウリングとは、スピーカから出た音をマイクが拾い増幅しづづけてしまう現象です。私は、その候補者が自らの「無知」に起因する問題で支えるスタッフを罵倒したことに、唖然としました。日頃から高飛車な発言をする方でしたが、テレビやインターネットを見る限りこれほどの嫌悪を感じた事はありませんでした。その場にいた他の聴衆も同様に受け止めていたと思います。

 インターネットに公開された情報を、私達は何度も読み返し深堀し比較することができます。ところが候補者も都合よく悪態をカットしたり失言を訂正できます。また、コンピュータ技術の発達により、写真や動画に映し出る表情、声、仕草を変えることさえできます。つまりインターネットに公開された情報は、私達にとって便利であるものの、私達の知りたい「真の情報」でない可能性があります。

 街頭演説により、私達は候補者本人の良い面も悪い面も丸裸な状態で直接見ることができます。今、インターネット選挙が解禁されたからこそ、街頭演説の価値も増したと言えます。

(おしまい)

2013年7月8日月曜日

データを見て分かる「真の矢」〜常識を覆す「少子化対策」とは〜 出世率低下の原因

 前回は、OECD諸国においては「人口増加」が経済成長の要であることを示しました。今回は、「少子化対策」について考えてみます。世界のデータを見ることで、少子化対策に成功している国々の「驚きの事実」を読み取ることができます。なお、今回もデータを世界銀行より取得しました。

 最初に、生まれてきた乳幼児への対応状況を見てみます。世界各国における「5歳未満児の死亡率」と「1人あたりのGDP」の相関をグラフにしました。グラフを見ると「1人あたりのGDP」が高い国ほど「5歳未満児の死亡率」は低いことが分かります。これは、当然のこととして、豊な国ほど医療が充実しているためと考えられます。日本は、乳幼児に対し世界でトップクラスの医療を提供しているようです。乳幼児への対応に関しては問題なさそうです。


 次に、「女性1人当たりの出産人数」(以下「出生率」)を見て行きます。
まず、「出生率」と「5歳未満児の死亡率」の相関をグラフにしました。「5歳未満児の死亡率」の高い国では「出生率」も高く、逆に「5歳未満児の死亡率」の低い国では「出生率」も低いことが分かります。これは、自然の動物にも見る事のできる、種を保存するための自然な法則と理解できます。

 


 さらに、「出生率」と「1人あたりのGDP」の相関をグラフにしました。「1人あたりのGDP」の高い国において「出生率」が低くなる傾向を見て取れます。これは、これまで見てきたことから、豊かな国において、医療サービスの発達により乳幼児の死亡率が低下し、自然法則により出生率も低下したためと考えられます。つまり、経済発展にともなう「出生率」の低下は、避けがたい自然の摂理のようです。




 ここで、分析対象を「OECD諸国」に絞って見てみます。
まず、「出生率」と、「5歳未満児の死亡率」や「1人あたりのGDP」の間の相関図です。面白いことに、このグラフには、「全世界」を対象に見た場合のような相関がありません。イスラエルは、「5歳未満児の死亡率」や「1人あたりのGDP」が日本と同程度にも関わらず、「出生率」が「3」を超えています。何か少子化対策につながるヒントがありそうです。



 そこで、様々な項目について「出生率」との相関を調べたました。次のグラフは、「出生率」と「移民受入人数(人口比)」の相関図です。驚いた事に、「移民」を多く受け入れた国ほど「出生率」も高い傾向にあります。 

 ここで一つ気になる事は、スペインなどは、移民を多く受け入れていながら「出生率」が低迷していることです。しかし、これにも原因がありました。スペインは、1960年ごろ日本より移民の受け入れが少ない国でした。2000年頃から本格的に移民を受け入れるよう変わったため、まだ経過が浅く「出生率」への影響も現れていないと考えられます。

●まとめ
 経済発展にともなう「出生率」の低下は、先進国共通の悩みであり、避けがたい自然の摂理のようです。そのようななか、「移民政策」は、一般的には「人口増加」対策と受け止められていますが、「出生率」対策にも有効だと言えそうです。

 追伸 生物は、常に変化する地球環境において「多様性」を確保することで生きながらえてきました。そのため、異なる種の受け入れは、「交配率」を高め「多様性」を確保するための手段ならば、自然の摂理として必要なことになります。私達日本人も、生物の一種であるため、「移民の受け入れ」による「多様性の確保」という自然界の掟を守らなければならないのかもしれません。
(おしまい)





 



2013年7月7日日曜日

経済成長のための「真の矢」とは 〜世界各国のGDP統計から分かること〜

 政府関係者は「金融の緩和」および「政府支出の拡大」によって日本の経済成長を取り戻そうと尽力されています。しかし、以前に「日本経済低迷の真相」で示した通り、経済学者や政府関係者は事実を見誤っています。

 OECD諸国における「国内総生産(以下「GDP」)」と「人口」の相関を改めてグラフにしました。グラフを見ると、各国は同一線上に位置し「GDP」と「人口」の間にある強い相関を読み取ることができます。
 特に先進7か国は、同一線上にぴったり位置しています。この線の傾きは先進7か国における「1人あたりのGDP」を意味しています。そして、この線より上に位置する国がないことから、世界各国の「1人あたりのGDP」は「世界共通の限界」で収斂するものと考えられます。(※)
 経済成長を目指すにあたり、経済発展中の国々には「1人あたりのGDP」を高める余地があります。一方で、OECD諸国、特に先進7か国においては、グラフの線を見る限り、「1人あたりのGDP」を高める余地がないため、要が「人口増加」なっていると言えます。

 つまり、日本において経済を成長させるための「真の矢」とは、今後人口の自然減少が分かっているなか、「移民政策」や「少子化対策」による「人口増加政策」です。
(おしまい)
※一部の国が線より上に位置してる原因は、母数が少ないほど統計上の誤差が生じやすいことと考えられます。


※世界各国を対象とした相関のグラフを再掲しました。世界に共通する「1人あたりのGDPの限界」を読み取ることができます。
※データは世界銀行より

2013年6月19日水曜日

満員電車で降りれないとき


満員電車において、皆が一斉に降りようとして押し合いになり、誰も下車できない瞬間がままあります。多くの人は、力ずくで出ようとしますが、引っかかり上手く抜け出せません。

何故でしょう? ここには、科学的な根拠があります。

それは、下車する人達が、アーチ形状になり出口に向かうつもりが横隣の人を押し合い、お互いに行く手を阻むためです。アーチ形状は、直角方向の力を分散させます。その効用は古代より知られていて、ダム、橋、トンネルなどで重い物を支える構造として応用されてきました。

下車する人達でアーチを作ると力ずくで出ようとしても引っかかり動けません。

そうなった場合、どう対処すれば良いのでしょうか?

一歩後退することです。アーチが崩れ一斉に前に進めるようになります。本当です。

ps.後ろの方が激怒しない程度に対応してください。

(おしまい)



2013年5月26日日曜日

中国潜水艦への対処方法 〜中国潜水艦は本当に脅威か〜

報道によると中国潜水艦が頻繁に出現しているそうです。日本の漁船は脅威を感じ、報道は中国潜水艦が威嚇していると訴えています。
しかし、東シナ海は深度が200mもない大陸棚です。中国潜水艦が私達にとって本当に脅威なのか、もう少し冷静な考察が必要です。

◯軍事作戦における潜水艦の優位性は何か?
そもそも軍事作戦における潜水艦の優位な点は、海に深く潜ることにより、敵に位置を特定されることなく突然海面に浮上して相手の不意をついた攻撃ができることです。
旧ソ連にとって、アメリカ原子力潜水艦の脅威は、航行位置を補足できず、戦争になった場合に原子力潜水艦の弾道ミサイルに対処できないことでした。

◯潜水艦の弱点は何か?
潜水艦自身は攻撃に弱いため、発見された時点でその優位性をほとんど失ってしまいます。敵の攻撃から身を守るためには、敵の攻撃力を先に奪うか、海深く潜り追跡をかわすしか術がありません。そのため、浅瀬を航行していては全く役に立ちません。

◯中国潜水艦は日本の脅威か?
ところが、日米は、中国潜水艦を哨戒によって捕捉できます。なぜなら、深さ200mもない大陸棚がつづく東シナ海においては、潜水艦はその姿を消す事ができないためです。潜水艦は、東シナ海を航行している限り軍事的な意味をなしえません。報道によると、中国潜水艦が潜水したまま日本近海に接近しているとのことです。中国潜水艦は、その位置が日本で報道されている時点で、もはや軍事的な意味をなしていないと言えます。
(参考)漢級原子力潜水艦領海侵犯事件

◯日本は、中国潜水艦にどう対応すれば良いか?
仮に中国と日本が戦争になった場合、中国潜水艦は、日本の太平洋における輸送路を断つため、太平洋側に出ようとするでしょう。それに対し日本は、中国潜水艦を大陸棚から出る前に撃沈すれば良いことになります。

中国潜水艦に対し、大陸棚という地形を有効活用し、日頃からその位置を的確に捕捉していれば、有事においても有効に処理できると言えます。
(おしまい)

東シナ海水深図 

水産庁 我が国周辺の水産資源より


海 底 地 形 図

海上保安庁海洋情報部 海 底 地 形 図より


2013年4月29日月曜日

日本人も「移住」すべき

日本の景気が低迷する中、私達日本人は何をすべきでしょうか?このまま、政府の負債発行信用力に頼って「空」仕事を求め続けるべきでしょうか?

アメリカでは、ゴールドラッシュの頃、砂金を求めてカルフォニアに人が殺到しました。航空機産業や映画産業が栄えるとロサンゼルスに人が集まりました。自動車産業の発展とともにデトロイトに人が集まり、宇宙開発予算が増えるとヒューストンに人が集まりました。アメリカ人は、生活するため仕事を求めて住居先を変えます。そのため色々と学習もしています。

では、債務危機に陥ったギリシャの国民は何をしているのでしょうか?
失業率の推移を、ギリシャとドイツで比較してみました。

グラフの失業率を見ると、ギリシャでは、2008年から急激に上昇し、直近では25%を超える異常な状態が続いています。一方でドイツでは、一時的にわずかに上昇したものの低下し続け、直近では5%近くまで落ち着いてきました。同一通貨圏内で、この失業率の明暗は驚きです。ギリシャ人は、国内に仕事がないものの居座り続けているようです。

仕事のない廃れ行く地域に人は集まりません。結局、人口も増えず、需要も喚起されません。グラフを見て分かることは、「ギリシャ人は、さっさとドイツ語でも勉強しドイツに仕事を求めて移住すべき」ということです。

ひるがえって、日本では、どうでしょうか?政府は、「仕事(需要)が不足している」ことから、「穴を掘って埋める」ような公共工事などを毎年30兆円の規模で行なってきました。今や支出を、100兆円にもなるものの、止めると失業者が溢れるため、モルヒネのように続けなければなりません。政府は、「真」の仕事にありつけない人のために、大規模に「空」の仕事を作り、無駄な投資をしているとも言えます。

でも本当は、日本人も、そのような政府に頼るのではなく、アメリカ人同様、きちんと勉強し仕事のある地域や外国に「移住」するべきかもしれません。
(おしまい)

2013年4月27日土曜日

輸出立国の嘘(日本のGDP統計内訳から分かること)

多くの日本人は、日本の事を「輸出立国」と教わり、貿易黒字こそが日本の経済を支えていると信じています。著名な経済評論家も同様です。
しかし、日本のGDP統計と貿易統計を見ると、高度成長期は貿易赤字、「失われた20年」が貿易黒字であり、事実は異なっていることが分かります。

●2012年はどうったたか?(貿易赤字)
2012年の国内総生産の名目値(以下GDP)は474.9兆円でした。主な内訳は、民間消費が289.8兆円(占率58%)、政府最終消費支出が97.6兆円(同19%)、民間企業設備63.8兆円(同13%)でした。純輸出(以下貿易収支)はマイナス9.5兆円(同マイナス2%)でした。2012年、日本は、貿易収支がマイナス(貿易赤字)だったものの、GDPが依然として474.9兆円もあり、輸出立国でなかったことが分かります。

●2012年以前はどうたったか?(貿易収支はほとんど変化しなかった)
では、これまで、GDPと貿易収支はどう推移してきたでしょうか?はたして貿易黒字が高度成長期の主たる要因だったのでしょうか?1960年以降の「GDP」と「貿易収支」「輸出総額」「輸入総額」をまとめてみました。次のグラフを見ると、年々、輸出の拡大とともに、輸入も拡大していたことが分かります。結局、GDPの拡大とは裏腹に、輸出から輸入を引いた貿易収支はほとんど変化していなかったことが分かります。日本は、2012年以前もずっと輸出立国でなかったことが分かります。


●貿易収支のGDPへの寄与度はどうか?(GDPに占める貿易収支の割合は3%以下)
1960年以降の「GDPに占める貿易収支の割合」と「GDPの伸び率」をまとめてみました。「GDPに占める貿易収支の割合」を見ると、貿易収支は、高度成長期(1970年まで)に、マイナスか0%ぐらいでありGDPに全く寄与していなかったことが分かります。また、バブル期の1986年にピーク(3%)に届いた後、バブル崩壊以降は一貫してブラスでした。経済低迷で失われた20年こそ、貿易収支が輸入減少によりようやくGDPに寄与したと言えます。(と言っても全体のわずか2〜3%です。)このグラフからも、日本は、高度成長期の頃からして輸出立国ではなかったことが分かります。


●何が日本の景気を左右しているのか?
これまで見てきたとおり、貿易収支は、輸出入で均衡するため、日本のGDPにほとんど影響してこなかったと言えます。ならば、昨今、日本の景気が低迷している原因は、何でしょうか?私は、日本の一人当たりのGDPが世界平均に追いつ(参考1)、そこに加えて人口の伸びが止まったこと(参考2)と考えています。

「輸出立国」と聞いて、日本のことを外貨をどんどん稼ぎ大幅な貿易黒字を達成しなければならない国と考えているのであれば、それは誤りです。

(追伸)
純輸出の累積を見ると、1950年から1980年までは、マイナス1 兆円の輸入超過でした。一方、1981年から2012年までが、260兆円の輸出超過になりました。つまり、高度成長期は貿易赤字国、「失われた20年」は貿易黒字国でした貿易黒字でGDPをプラスにするという考え方は間違っていると言えます

●(参考)
内閣府ホーム  国民経済計算(GDP統計)年次GDP実額 名目暦年
世界銀行のGDPより (constant 2000 US$を1$110 円として円に換算)
財務省貿易統計  年別輸出入総額(確定値)
     
(おしまい)

関連ページ

日本経済低迷の真相(世界の人口とGDP)
日本経済低迷の真相(日本の人口とGDP)


2013年4月13日土曜日

日本は依然として閉鎖的

「グローバル化」が認識されてから随分と年月が立ちました。巷には外国ブランドや横文字が溢れ、外国人やハーフがテレビに出演しているため、日本もグローバル化の波に乗り第二の開国を成し遂げつつあると感じている人も多いと思います。
しかし、私は、日本のことをつくづく「閉鎖的な国」だと感じています。

今日もそれを強く感じる出来事がありました。

渋谷でコーヒーを飲んでいたとき、隣に座っていた韓国人2人に、路線図やiPhoneを見ながら困惑していたため英語で声をかけてあげました。その韓国人が「アシアゲがどこか分からない」と言うので、私が問いただすと彼らの目的地は「スカイツーリー」でした。駅名が分からず困っていたのかと思いきや、彼らのもっていた路線図には、JRのものだったため、メトロや私鉄は省略され「押上駅」が記載されていませんでした。しかも、漢字主体で表記され、駅名に小さなローマ字の記載があるだけでした。また、他の鉄道会社についての注意書きなどいっさいありませんでした。彼らは自分たちが「アシアゲ」を見落としているに違いないと必死に探していたわけでした。
私は、「押上駅」まので行き方を説明し、駅名に関して漢字とローマ字でメモも書いてあげました。

韓国では、日本語、中国語、英語のガイドが町中に溢れています。路線図もとても見やすくできています。また、日本語が、どこに行っても通じます。レストランはもとよりマクドナルドや地元向け量販店ですら通じます。小さな飲食店などは、日本語を話せる人がいない場合でも、少なくても写真付きの日本語メニューが置いてあり、誰でも簡単に注文できます。路上や駅で地図や路線図などを見ていると、必ず誰かが日本語で声をかけ助けようとしてくれます。大学卒業者は皆、英語、中国語、日本語のいずれかを話せます。大学を卒業していなくても、商売する人であれば、外国語を片言で話そうとします。インチョン空港では、飛行機を降りたところの看板の一行目に日本語で「ようこそいらっしゃいませ」と書いてあります。私達外国人を歓迎していることを強烈に感じます。

一方、日本では、外国人向け観光ガイドがどこにあるのか分かりません。外国人向け地図すら町や商店街に置いていません。各鉄道会社の路線図は、駅名や路線名を日本語を主体に表記し、さらに自社の路線しか記載していません。外国人向けの、見やすい、統合したものがありません。小売店では、韓国語や中国語がほとんど通じませんし、英語ですら通じる場所が限られています。道に迷う外人がいても声をかける人はいません。そのため、外国人観光客は、スマホとgoogleマップにより少しは自分で探索できるものの、電池が切れたら孤立してしまいます。成田空港の入国ゲートの看板には、一行目に「お帰りなさい」とだけ日本語で書いてあります。まるで外国人を無視しているようです。

日本を訪れた外国人観光客は、日本のことを、未だに閉鎖的な理解しがたい国と感じているに違いありません。

(おしまい)


2013年4月2日火曜日

輸出立国の嘘(貿易赤字も健全)



多くの人は、日本のことを、貿易黒字によって経済が成り立つ、「輸出立国」と考えています。つまり、輸出総額が輸入総額を大幅に上回れば、お金がじゃぶじゃぶ国内に流入すると考えています。そのため、貿易黒字を善、貿易赤字を悪と受け止めています。多くの著名な評論家や経済学者も同様です。
しかし、そう考える方は、為替取引と国内通貨量の簡単な関係を理解していません。実際は、輸出がいくら伸びても、日本国民はお金持ちになれません。

そもそも、輸出立国の信者は、「輸出で得た外貨が国内にそのまま流入する」ことを前提に考えています。しかし、海外旅行経験者であれば、誰しもこの前提に「はて?」と思うはずです。

具体的に自動車を輸出する事例を考えてみます。自動車メーカは、アメリカで自動車を売ることにより、対価として当然アメリカの通貨「ドル」を受け取ります。しかし、彼らはその「ドル」を、日本国内で利用できないため、為替取引により「円」に両替する必要があります。この為替取引により、自動車を売ったことの「対価」を初めて日本国内で利用できます。輸出で得た外貨は国内で流通しません。

重要なことは、為替取引により、自動車メーカが円を取得し円の保有を増やす過程で、金融機関など為替取引相手が円を手放し円の保有を減らすことです。つまり両者の円保有の総和は変化しない点です。ここで簡単な法則の存在に気がつきます。それは、「輸出で外貨を得ても、日本で流通する円の量は変化しない」ことです。


輸出によって得られるものは、外貨であり、外国の物や外国債を購入するための権利です。つまり、輸入を差し引いて余るほどの外貨を稼いでも、円建ての経済には寄与しません。単に輸出を拡大しても景気は良くなりません。

これからの日本は、輸出で外貨(外国債)を貯めることばかりせず、これまでの外債を活用して外国からの輸入を拡大し収支不均衡を是正するべきです。昨今の貿易赤字は健全と言えます。
(おしまい)

            ※図は時事ドットコムより

2013年2月18日月曜日

TPP参加を踏まえた準備の必要性

昨今、TPP交渉参加の是非を巡り、広く国民の間で議論されています。私達は、これまでの政策を正しく認識した上で、今、何をすべきか考えることが必要です。


多くの日本人は、日本の経済発展を、技術進歩による国際競争力向上と工業製品の輸出拡大によるものと考えています。しかし、日本政府がつい最近まで輸入制限(保護貿易)の政策を取り続けていたことをそれほど認識していません。

アメリカは、1900年代までは、輸入品に対し30〜40%もの関税率を果たし、輸入を大きく制限していました。ところが、1900年から関税率を徐々に引き下げ、第二次世界大戦以降に平均10%未満、2010年には平均1.3%まで軽減し、自由貿易主義へと変遷しました。

一方日本は、今や日本が世界に誇るエレクトロニクス、自動車、カメラでさえ、輸入関税率を戦前は100%、戦後も40〜30%かけ続け保護してきました。それらの関税率を完全に撤廃したのは1970年後半からです。1980年代の日米構造協議などにより自由化の道をさらに歩み続けていますが、未だに農業はもとより金融、医療をはじめ多くの分野で参入を規制し自由化していません。日本の産業振興は、技術の進歩とともにありましたが、輸入制限・外資参入制限政策によりグローバル競争から守られてきたことによるものです。

TPP協定は、どのようなものか具体的な内容が明示されていないものの、国内の市場を一層自由化する方向にあます。保護産業の企業に対し、競争の場を国内から世界に追いやり、厳しい経営を迫るものと予想できます。保護産業の関係者は、自動車産業や精密機器産業のように、グローバル化の波に備えた技能の体得が必要です。
(おしまい)

参考
Wikipedia Tariffs in United States history 
 http://en.wikipedia.org/wiki/Tariffs_in_United_States_history

・財務省 主要品目の関税率の推移  
 http://www.mof.go.jp/pri/publication/zaikin_geppo/hyou/g486/486_03.xls 



2013年2月10日日曜日

報道改革の必要性


私は、最近、インターネットを介してアメリカの報道番組(配信動画)を見るようになりました。分かった事は、日本の報道番組が、アメリカと比較し貧弱だと言う事です。

日本の多くの報道番組は、時事を単純に伝達しり感情的な意見を述べる程度で、問題解決に向けてほとんど提言していません。その様な番組が多い中で、NHKの「クローズアップ現代」は、時事問題を、幅広く取り扱い、限られた時間の中で専門家を交えて解説するなど深堀りしています。日本の報道番組を一つだけ視聴するとしたら、私なら迷うことなく、NHKの「クローズアップ現代」を選らびます。しかし、その「クローズアップ現代」も、情報源は偏っているように見えます。また、週4回という時間の制約から、1つの時事問題につき1回しか取り扱いません。さらに、問題解決に向けての提言に関しては、予算増加を求める省庁を暗に代弁しているようでもあり、一方的であり、私達に選択肢を提示していません。

ところが、アメリカのWSJ、TIME、PBSなどのは、情報源が多数あり、様々な異なった見方を持つ取材者や専門家を招き、同じ時事を一度のみならず違った角度で何度も取り上げ、問題を深堀し事の本質に迫ります。動画本数も、WSJ1社でさえ1日に10本以上配信しています。また、問題解決に向けては、予算増加の弊害や代替案を問いつめるなど、賛否両論の展開によりメリット・デメリットを明らかにし、視聴者に選択を提供しようとしています。アメリカの報道は、質・量とも明らかに日本のそれよりも上です。アメリカの報道を見ていると、「報道とは何か」を考えさせられます。

日本の報道番組の多くは、単に事象を伝達したり、感情的な意見をのべることが多く、また、問題解決策も一方的です。日本の民主化をより進めるためにも、私達国民に政策選択肢を提示する方向で、見直されるべきです。
(おしまい)

The Wall Street Journal  Live
http://live.wsj.com/




2013年1月14日月曜日

Google Map 「交通情報」の限界

1月14日、東京は大雪に見舞われました。都内の道路は、各所で渋滞しました。首都高速も、方々で「通行止め」や「チェーン規制」により利用を制限されました。こういう時こそ車の運転者は、「交通情報」をリアルタイムに取得したいことでしょう。

「GoogleMap」は、利用者の位置情報を吸い上げることで、独自にリアルタイムの渋滞情報を提供しています。高速道路はもとより一般道を含め、あらゆる道路に対応しています。道路運営側から情報提供を受けていないことの強みです。

しかし、私は、かねてから「GoogleMap」が雪の日に真価を発揮できるか疑問を感じていました。本日、早速、日本道路交通情報センター(JARTIC)の道路交通情報と、Google Map の交通情報を比較してみました。

東京外環道路は、大雪により、「通行止め」になりました。同時刻、JARTICの道路交通情報は「通行止め」を表示しましたが、Google Map の交通情報は「渋滞」しか表示しませんでした。

残念ながら、Google Map の交通情報は、道路運営側の情報と連動していないため、「通行止め」に対応できていないようです。私達は、「通行止め」や「チェーン規制」が実施された場合、日本道路交通情報センター(JARTIC)の提供情報と併用する方が良さそうです。

 ●日本道路交通情報センター(JARTIC)提供の渋滞情報
 東京外環道路に「通行止め(黒色)の表示

Google Map に表示される交通情報
 東京外環道路に「渋滞(赤色や黄色)」の表示(交通止め表示なし)
(おしまい)

2013年1月1日火曜日

思いつき政策からの脱却


政策立案者(政治家や官僚)は、経済学の支援なしに政策を立案できません。経済学は私達の生活に大きく影響していると言えます。しかし、今日の経済学は社会学であり科学ではありません。困難な今こそ、より科学的な見地に基づく経済理論の構築と政策判断が求められています。

科学者と経済学者のデータに対する接し方を見比べると、彼らの取り組みの違いに気づきます。

科学者は、仮説を提唱した後、実験によってその仮説を証明しようとします。実験による裏付けを得ることで、仮説が正しかったと判断します。予想に反した実験データを得た場合、実験方法や仮説を間違えていたのではないかと自問します。目の前のデータを素直に直視し、時には仮説を修正します。ノーベル賞を受賞した山中教授も「予期していなかったデータこそ重要」と話していました。科学は、そういった地道な自問を繰り返し、仮説を一つ一つ積み重ね、火星に探査機を送ったり遺伝子から細胞をつくったりするなど発展し、今日に至りました。

一方で経済学者は、自分たちが若い頃に習った仮説を是とし、考え方を変えようとしません。データに対しても、説明のつくデータに着目し、説明のつかないデータには目もくれません。データが示す事実を直視しようとしません。そのため、マクロ経済に関し、100年の議論を経た今でも大きく2手に分かれており、入門書の内容ですら意見が一致していません。マクロ経済学も今日までほとんど進歩していません。アメリカ大統領選挙において、候補者や有識者は醜い論争を1年間繰り広げましたが、米国民は何も得ていないように見受けられます。

経済学の観察対象とするデータは膨大にあります。経済学者アダムスミスが「見えざる手」を提唱した18世紀には、コンピュータが未だありませんでした。これまでは、それらのデータを分析することが不可能だったかもしれません。しかし、コンピュータ技術の発達した今日においては、誰でもそれらのデータを簡単に分析できます。

困難な今こそ、政治家および評論家による思いつき、学者および官僚による誤った考えから脱却し、より科学的な見地に基づく経済理論の構築と現実的な政策判断が必要です。

アダム・スミス

(おしまい)